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イボ・しみ・ほくろの見分け方は?医師が動画で解説

ほくろ いぼ しみ

クリニックを受診された方から、よく相談されることがあります。
「私の顔にあるのは、ほくろですか?シミですか?」

⇒ その茶色いぽつっとしたものはほくろなので、治療をすると傷跡が残りますよ
(患者さん、傷が残ることに驚きを隠せない感じ)

「このシミ、美白剤を塗っていても全然キレイにならないのですけれど…どうしたらいいですか?」
⇒その茶色いものは、シミではなくってイボだから美白クリームを塗っても全く取れませんよ
(患者さん、今まで美白化粧品をあれこれ使ったのに…全部無駄だったのね。 と)

そう、無駄な時間と費用を減らして、効果的に気になる症状を改善につながればと思い、動画撮影とともに記事を書きました。
シミ、イボ、ほくろの大きな違いと、自宅ケアでもキレイになるのか、クリニックに行かないと改善しないのかどうかの判断基準をお伝えします。

1.まずは基礎編:シミ、イボ、ほくろの違い

この3つの違いを知っておくことが大事なのは、見た目は似ているこの3つ、治療方法や、治療後の傷が残るかどうかなどの経過が大きく違うからです!

結論から

自宅治療が可能なのは「シミ」
クリニックで治療が必要(でも傷あとにならない)なのが「イボ」
クリニックで治療が必要(しかも傷跡が残る)なのが「ほくろ」

なぜ、この違いが出てくるのかをまずは動画をご覧ください。

動画の中でもポイントになるのが、
表皮までのものか、真皮まであるのか?という点です。

表皮の細胞は生まれ変わる:28~56日周期のターンオーバー

表皮の細胞は、基底層というところで作られて、どんどん外側に押し上げられ、28日~56日ぐらいの周期で剥がれ落ちます。
そうそう、垢となって落ちる部分です。
どんどん細胞が作られるので、少しぐらい傷ができても新しく仲間の細胞が増えて置き換わるのできずあとになりません

イボ・シミ・ほくろ

真皮の細胞は赤ちゃんの頃からほぼ同じ。変化がない

一方、真皮の皮膚はほとんど生まれ変わらないのです。この真皮部分の皮膚が傷になると、もともとあった細胞ではなく、傷を治す特殊な細胞(線維芽細胞)というものが出てきて壊れてしまったり欠けたところに置き換わります。
違う細胞が増えるので、周りとなじみが悪くきずあとが残ります

シミは皮膚の表皮に色だけが存在している

シミは、表皮に「色」だけが増えている状態です。それゆえ、表皮の中の色があるところを、どんどん外側に押し出していけば、シミは取れるはずです。
この考え方で治療をするのが、
塗り薬の治療:色を表皮の中から押し出して外に出す

もう一つ、表皮の中の色を壊して周囲の垢となって落ちるべき細胞とともに剥がし取る方法が
レーザーの治療:表皮の中の色を壊す

こののどちらかの方法で周囲の皮膚に傷をつけることなく治療ができます。

とくに、①の塗り薬の出の治療は通院も不要でご自宅でシミケアができるからおすすめです。

*一般例をお伝えしています。アトピー性皮膚炎などで掻きむしった結果、真皮内に色が落ち込んだものや、外傷などで真皮に色がついているものは塗り薬では取れません。

イボは表皮の上~中に浮かんでいる。真皮までは行かない

首イボ、顔イボ、体イボ……これらのイボは、一番深いところまで行っても表皮の基底層まで!!
それゆえ、表皮にあるものを取り除けば傷跡なく治すことができます。

ただし、シミと違ってイボの細胞が増えているので……塗り薬で箱のイボ細胞を押し出すことができず治療が難しいです。
今のところは、クリニックに来ていただいて治療をするしかありません。

そして、
クリニックの治療の時に気を付けなければいけないのが、治療する深さ!!
出来る限り、表皮と真皮の境目ぎりぎりで治療をすることが重要です。

浅すぎると…イボが残ってしまう
深すぎると…傷跡が残る可能性(真皮まで深く治療すると)がある
この深さをきちんと見極めながらの処置が必要です。

ご自宅でのハサミやカミソリでの治療が、あまりお勧めされないのはこの深さを見極めることができないからです。

ほくろは真皮の中までしっかり細胞が増えている

最後にほくろ。
このほくろを作るほくろ細胞(母斑細胞)は、真皮の中にもしっかり増えています。
それゆえ、傷が残らないように表皮だけ浅く治療したのではすぐに再発してしまいます。

しっかり治療をするためには、真皮まで取りきることが必要。
そして
真皮まで取りきるからこそ、傷跡が残ってしまいます。自宅で取ろうとすることは、絶対にやめた方がいいです。

自宅でできる見分け方:シミ・イボ・ほくろ

しみ ほくろ
さて、シミ、いぼ、ほくろの違いを勉強しましたが、できる事ならクリニックで相談する前にセルフチェックができたら嬉しいですよね。
私たち皮膚科医が、普段どんなところを注目しながらシミ、イボ、ほくろを見分けているか、ご紹介します。

盛り上がりがわずかにでもあったら、イボかほくろ

シミは絶対に盛り上がっていないのです!

シミは、表皮の中に色だけが増えているものだから盛り上がるはずが無いのです。

わずかに肌の表面から盛り上がっている、ファンデーションが茶色いところにたまる…という事は肌と段差があるわけですから、これは、イボかほくろしかありえない。

イボかほくろに、美白クリームを塗っても効きませんので、美白剤を試すよりもクリニックで相談することがおすすめです。

結論
わずかにでも盛り上がりがあれば イボ or ほくろ

ほくろ イボ

茶色のでもの、表面がざらざらしていたらイボの可能性大

ほくろは、表面がツルリトしているケースがほとんど。
シミは、そもそも肌と同じテクスチャーなので、ざらざらすることがありません。

ハッキリした黒っぽい色はほくろ、淡い茶色はイボかシミが多い

シミや、イボの色を作っている細胞はメラノサイト 
このメラノサイトは普段は肌色を作っているのですが、それがやや強めに色を作っているので、肌色よりも濃い色となり、薄茶色~やや濃い茶色となるケースが多いです。

一方、ほくろの細胞は母斑細胞といい、その中に多数の色を作る工場があるので肌色よりもずっと濃い茶色~黒に近い茶色(黒褐色)になります。

結論
色が黒っぽくて濃いハッキリしているものはほくろ
淡い茶色はシミかイボの可能性が高い

イボ・シミ・ほくろの治療方法とは

それぞれの治療方法について、別で記事を書いているので、ご案内させていただきます。私が院長を務めるAdeBクリニックでも治療を受けることが可能です。

イボの種類と治療方法

イボの種類や治療方法については下記の記事を参考にしてみてください。
私が当サイト「一般社団法人首イボ治療研究会」を立ち上げた理由も、多くの人が誤った治療方法をしてしまい、長年悩み続けてきたというお声が多かったという理由もあり、正しい知識が広まればと思っています。

ぜひ記事をご覧くださいね。
首イボはなぜできる?原因と治療方法を医師が解説
首のぽつぽつを除去!mikoメソッドとは

シミの治療方法

シミ治療については、大きくレーザー治療と自宅でできる治療方法があります。

自宅でできる院内処方クリームでの治療方法はこちら
「Dr.mikoシミとりクリーム」とは

シミのレーザー治療についてはこちらのページで多くの記事を書いているので、ぜひご覧ください。
シミに関する記事一覧

ほくろの治療方法

ほくろの治療は下記の記事を参考にしてみてください。
秋田となっていますが、東京でも治療をしておりますので、お気軽にお越しくださいね!

ほくろ除去を保険診療で!秋田県秋田市の皮膚科Adeb

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