目の周りやまぶたにできた”小さいイボ”はどうやって取るの?
目の周りや、まぶたにできた小さなイボの取り方についてお話しします。
様々なイボの種類を写真とともに、イボができる原因や取り方(液体窒素療法や炭酸ガスレーザー)、治療費についてもお伝えしますね。
まぶたにできた、ぽつぽつ。目の下にもぽつぽつがある。
どんなに気合を入れて、アイメイクをしても目の周りにぽつぽつがあるだけで全然楽しくなくなります。
そのため、「目の周りにあるイボを取りにきました……」なんていう方も多数いらっしゃいます。せっかくきれいにメイクをしてもイボがあったら台無しですものね。
「まぶたにできたイボ」とひとくくりにしていますが、実はこのイボには様々な種類があります。
まぶたにできるイボの種類
それでは、どんな種類のイボが目の周りにできるのでしょうか。
2)稗粒種(はいりゅうしゅ、ひりゅうしゅ)
3)ウイルス性のイボ
4)脂腺腫
5)黄色腫
6)汗管腫
まぶた、目元にできるイボの代表は主に上記6種類です。
イボと言えばよく聞く名前のものから、まぶたのイボで初めて出てくる名前のものまでたくさんあります。
簡単に1回の治療で終わるものから、覚悟を決めて手術するものまで。種類によって、治療方法が変わってくるので、どのイボがご自身のまぶたにあるかが、とても大事なポイントといえます。
それでは、イボの種類ごとに治療方法をみていきましょう。
1)脂漏性角化症(老人性イボ)
目元のイボでクリニックを受診する人で、1番多いイボが「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」
とよばれるイボ。別名「老人性イボ」といいます。
左右で何個もある人が多く、まぶただけではなくってフェイスラインにも同じイボができている人が多いです。
色は肌色からちょっと濃い茶色まで、茶系の色をしているケースが多いです。大きさは1~10㎜を超えるものまで様々。数ミリ程度のものが一番多く見られます。
「脂漏性角化症(老人性イボ)」ができやすい年代は?
脂漏性角化症は、30代後半ぐらいの年齢からできやすいイボ。
「脂漏性角化症(老人性イボ)」ができる原因
この脂漏性角化症というイボは、遺伝的に出やすい人に出てしまうイボです。
そのため、出ない人は80歳になっても90歳になっても全くできないのが特徴的。
予防方法
遺伝的、体質的に出てしまうので完全に予防することは難しいですが、少しでもできにくくする方法は、刺激を避けることです。
このイボは「出やすい体質+刺激」が加わると出やすいので
・アイシャドウなども、痒みが出たら使うのをやめる
など、日々のちょっとした刺激を減らしていくと予防につながります。
治療方法は?
液体窒素療法:保険診療 ¥1,500円ぐらい(*全国で治療費用は同じ)
炭酸ガスレーザー:自費診療 ¥5,000~20,000(1つ)ぐらい (*クリニックによって異なります)
おすすめは「炭酸ガスレーザー」による治療です。
その理由は
②治療後のシミができにくい
③ついでにまぶたの皮膚の引き締め効果もある
④皮膚の浅い層で治療するので、傷になりにくい
と、良いことづくめだからです。
逆に液体窒素による治療は メリットはお財布に優しいという点です。
そして、液体窒素療法では、炭酸ガスレーザーのおすすめ理由がそっくりデメリットになります。
②治療後に高確率でシミができる
液体窒素療法であれば、一般的な皮膚科クリニックで治療を受けられますし、予約も不要なクリニックが大多数を占めます。
一方炭酸ガスレーザーによる治療は、そのレーザーを持っているクリニックに限られますので、事前に確認や予約が必要になるケースが多いのでお問い合わせをしてみてください。
▶︎ 炭酸ガスレーザーに関する記事
「脂漏性角化症(老人性イボ)」は、FLALUクリニック(旧AdeB) 東京浜松町院、FLALU大阪梅田院で治療を受けられます。
老人性イボを治療する場合、こちらのネット予約から「顔イボレーザー治療」を予約してください。
2)稗粒種(はいりゅうしゅ、ひりゅうしゅ)
続いて、目元のイボでクリニックを受診される方の数、第2位は「稗粒種」。
目の周り、顔じゅうどこでもできますが、1つひとつ孤立したできものです。
色は、中身が白く透けて見えるぽつっとしたでもので、触ると若干固く感じます。
大きさは1㎜以下のものから、大きいもので1㎝ぐらいのサイズのものも見たことがありますが、大多数は1~2㎜程度です。
「稗粒種」ができやすい年代は?
稗粒種は、幼稚園児からご年配の方まで、年代、性別を問わずできるイボです。
ただし、できる部位が年代によって若干異なる印象……高校生ぐらいまででは、目の周りにできる人が圧倒的に多くみられ、それ以降の年代では目の周りだけでなく額、頬など顔中どこでもできてきます。
顏以外の部位では、首にできるケースがありますがその他体や腕にできる人は稀です。
「稗粒種」ができる原因
できる原因は、現代では全く不明とされています。
年齢に関わりなく、幼稚園児などでもできるのはなぜでしょう?
このように、原因不明でできてくるものを特発性と呼び、原因がわかるケースもあり、この場合は続発性と呼びます。
続発性に稗粒種ができるのは、ステロイド外用剤を使った場合です。
長期間、ステロイド外用剤を使ったところに稗粒種ができる傾向があります。
予防方法
特発性の場合は防方法がありませんが、続発性はステロイドを使わないことで予防ができます。
ですから、かぶれなどでステロイドを塗った場合、かゆみが無くなったら早めにステロイドはやめてくださいね。
たまに「これを塗っていると化粧ノリが良いので、使い続けたい」と言われる患者さんがいるのですが、稗粒種もできるし、皮膚にも良い影響は全くないので肌の調子が良くなったらすぐにステロイドはやめた方が安全です。
治療方法は?
皮膚科のクリニックで、受診したその日に簡単に取ることができます。
治療費用も保険が適応の場合は、1,000~1,500円程度です(*費用は全国どこでも同じ)
稗粒種は、皮膚の中に白い塊が入っている状態ですから、まずは針で表面に軽く切り口を作り、専用の器具を使って中身の白い塊を押し出します。
治療の際、チクチクっとした痛みがともないます。
「痛みがあるのね~、う~ん。」とお悩みの方にも朗報が!!
塗るタイプまたは貼るタイプの麻酔薬があるので、それを事前にもらい十分に麻酔が効いたところで治療を受けるとかなり楽になります。
実際に麻酔テープまたはクリームを使用した患者さんに聞くと「痛みが全然違う!」と、皆さん口をそろえておっしゃります。
治療後は数日赤みが残りますから、その点はご注意ください。
料金
30個まで取り放題メニュー | ¥21,000 |
31個〜 | 1個あたり¥800 |
FLALUクリニック東京浜松町院、FLALU大阪梅田院で治療を受けられます。
東京や大阪で稗粒種(はいりゅうしゅ、ひりゅうしゅ)を治療する場合は、お電話にてご連絡をお願い致します。
3)ウイルス性のイボ
目元のイボでクリニックを受診される方のイボ 第3位は「ウイルス性のイボ」。
まぶただけでなく、まつ毛の生え際にできたイボは場合はこのウイルス性のイボの可能性が高いです。
色は、やや水っぽい肌色~かさかさした肌色。3㎜程度までのものが主流で皮膚からぴょこっと飛び出たりします。
イボの頂点部分が鶏のとさかのように、とげとげしていることが特徴です。
「ウイルス性のイボ」ができやすい年代は?
ウイルス性のイボなので、年齢に関係なくできやすそうですが……実際の診療でお見掛けする方は、50代以上の方が多いなという印象です。
「ウイルス性のイボ」ができる原因
仮説1:免疫力が低下してウイルスを排除できない。
免疫力が年齢とともに低下するためにウイルスが皮膚に着いたときに、そこに共存することを許してしまう可能性があります。
仮説2:まぶたの角質が厚くなりウイルスが増えやすい環境が整うため。
若いころと違い、皮膚のあちこちに「角質」と呼ばれる部分が多くなる傾向があります。
この「角質」にイボの細胞は好んで住みつくので、若いときは角質があまりなくって住みつくことができなかったのに、顔やまぶたに角質が厚くなったために、イボができやすくなっているのかもしれません。
他の体にできるウイルス性のイボと同様に、ヒトパピローマウイルス(ウイルスの名前)によるイボです。指とか、足の裏によくできるイボで手足にできた時には治療に1年以上かかる人もいるくらい頑固なイボです。
予防法はある?
ウイルスは、皮膚に小さな傷があるとうつりやすいので、目元をあまりこすったりしない方が良いです。
また、眉毛を毛抜きで抜いたり……その時に、無理に抜こうとすると皮膚に傷がつきますので、ご注意ください。
ウイルスは通常手に付き、そのウイルスの付いた手で顔を触るからうつるわけです。
ですから、手をこまめに洗う、顔をできる限り触らないようにする、なども良い方法と言えます。
治療方法は?
ウイルス性のイボの治療と言えばそうなので、痛くて大変なイメージの「液体窒素療法」が必要です。
しかしながら、顔(特にまぶた)にできたときは、この液体窒素療法でカンタンに治るのです!
年間1万人以上、今までで20万人弱の患者さんを診察してきた経験では、このまぶたのウイルス性イボ治療にかかる回数は1、2回程度。
しかも、液体窒素の治療なのに、それほど痛くありません。
なぜ、手足の治療と違って痛みがなく簡単に取れるのか。
そこには、イボの形の違いが関係しています。
手足のイボは、皮膚の角質の中に横と皮膚の中の方に向かって広がっています。だから、治療も皮膚の細胞のところまでしっかり液体窒素で凍らせる必要があるから痛いし、横に広がっているので、なかなかしっかり取れません。
それに比べて、顔の、特にまぶたのイボは「ぴょっこり」皮膚から飛び出ているタイプなのでその表面を液体窒素で凍らせればよく、正常な皮膚の細胞はほとんどダメージを受けないので痛くないというわけです。
たった1、2回の治療で痛みも少なく、しかも保険診療ですと3割負担で「1000~1500円程度」なので、このタイプのイボは治療しない方がもったいない!!
「液体窒素は痛い」という情報に惑わされないで、ぜひ地元の皮膚科に足を運んでほしい治療できるイボのひとつです。(当院ではウイルス性のイボ治療は対応しておりませんのでご注意ください)
4)脂腺腫(しせんしゅ)
こちらのイボは、なかなかインターネット上の情報にも出てこないので聞き慣れない方も多いと思います。
まぶただけでなく、顔全体に出る良性腫瘍で、皮膚の深いところから出てきています。
色は肌色よりちょっとオレンジがかっていて、中央が少し凹んでいます。大きさは2~7㎜ぐらいが中心。皮膚よりも1㎜程盛り上がった丸いイボです。
できやすい年代は?
40代以上で複数個できてきます。20代以下の方で見かけることは希です。
「脂腺腫」のできる原因
こちらのイボは「できやすい体質の人がいる」としか言いようがなく、原因などの詳細はわかっていません。
なぜできるかがわからないゆえ、どう予防できるかも不明です。
治療方法は?
このイボ、治療も困難なタイプです。
脂腺腫は皮膚の深いところから出てきているので、再発をしないように治療するのであれば、理想はしっかり切って取りきるということになります。
切って取りきる……ということは、当然傷が残ります。見た目の問題で、表面だけ炭酸ガスレーザーで削る、あるいは液体窒素で治療するという方法もおこなうことは可能ですが、脂腺腫の根っこまで取りきることができないため、すぐに再発します。
5)黄色腫
このタイプのイボぼはかなり稀。
目頭の上に、黄色い楕円形のイボが左右にできています。皮膚よりも1㎜ぐらい盛り上がっています。目頭の上以外にできることはありません。
できやすい年代は?
このイボは年代というより体の中に問題があるので、できる人が決まっています。
あえて年代を考えると……40代以降ですね。
「黄色腫」ができる原因
このイボができる理由はハッキリしています。
それはズバリ、内科的な病気「高脂血症」を患っていると出るイボ。それ以外にできることはまずありません。
もし、高脂血症と思っていなくても、目頭にこのイボができたら必ず内科で検査をして病気がないかをチェックしてください。
*高脂血症とは、コレステロールや中性脂肪の血中濃度が高い状態です。
予防方法は?
こちらのイボは、他のイボと異なり予防方法が明確なイボです。
それは、高脂血症の治療をちゃんとまじめに行う。できたばかりの初期段階では高脂血症の治療を行うことによって、自然にイボも無くなります。
治療方法は?
高脂血症を長年放置した、あるいは高脂血症の治療をしてもまぶたの黄色腫が改善しなかった……という場合は、治療方法としては切除しかありません。
実際にまぶたを切ると、二重の幅や目の形が変わってしまったり、目元に傷跡として残り目立ったりなどで、あまりお勧めできる方法ではないので、何とか高脂血症を早めに治療して黄色腫ができる事を予防することが最も良いと言えます。
6)汗管腫(かんかんしゅ)
このイボは他のイボと異なり、目の下にぷつぷつとたくさんできることが特徴です。
色は肌色。1つひとつのイボの大きさは2~4㎜程の楕円形です。
できやすい年代は?
20代ででき始める方もいますが、多くは40代以上になって数が増えたり目立ったりしてくるという印象です。
「汗管腫」ができる原因
遺伝的にできやすい傾向があるのですが、なぜできるのかはわかっていません。
予防方法は?
汗管腫がなぜできるのか、遺伝的にできやすいという以外の原因が分からないので、予防法も残念ながら不明です。
スキンケアをしっかりして保湿をすればよい、と書いてあるサイトなどもありますが保湿で出ないという根拠は全くありませんのでご注意ください。
治療方法は?
治療の第一選択は、炭酸ガスレーザーで削る方法です。
「汗管腫」と名前に「腫(腫瘍:できもの)」と書いてある通り、皮膚の深いところから出てきているできものなので、平らにしようとしたら削るしかありません。
削る場合、
②再発しないように深く削る
と、選択肢はふたつあります。
①の場合は、凸凹を平らに削るために浅く治療をします。削ったところは擦り傷のようになりますが、数日~1週間程度できれいに治ります。(傷跡が目立たず楽チンとはいえますが、根本治療ではないので再発します)
②の場合は、なるべく削ったところが再発しないよう根元から深く削ることになります。深く削るので、皮膚がきれいに再生するまで1週間ほどはテープを貼ったりのケアが必要になりますし、赤みがしばらく残ったりでちょっと大変。
でも、再発しにくいのでキレイが長持ちする治療と言えます。
どちらの治療を選んでも注意が必要! 削る治療はあくまで「今ある凸凹」を治してくれますが、「これから出てくる汗管腫」を予防する効果はありませんので、一度治療したら終わりというものでないことを知っておいてください。
また、塗り薬のアダパレンというニキビ治療薬を塗ると皮疹が平坦化し、効果的という報告がありました。
なぜその効果が発揮されたかは不明とのこと、そして若干の改善があっても汗管腫がなくなるわけではない事から(そもそも腫瘍なので塗り薬では取れない)、塗ってみる価値はあるけれど、汗管腫が無くなることは期待できないと言えます。
*矢作榮一郎ほか:汗管腫―アダパレン外用療法による臨床効果―.西日皮 74巻6号・2012
まぶたのイボを取るときに、持っていくべきおすすめアイテム
一番のおすすめアイテムは、ふちが太めの「伊達メガネ」!!
様々なケアの際、やはり赤くなったり若干の腫れが起こったりなどの反応が見られます。
頬の治療と違って、マスクで隠すことができませんから、こういう時はふちが太めのメガネの出番です。
目元のメイクを落とした時……目元の医学的な治療を受けた時……腫れていても多少赤くても、なんとなく目元の印象をごまかしてくれます。
治療に行かれる際には、ぜひ荷物の中に入れておいて欲しい一品です。