脂漏性角化症(老人性イボ)の症状・原因・治療法を解説|シミとの違い・自己処理NGの理由とは?
鏡を見るたびに、頬やこめかみ、首元に「茶色いポツポツ」が目につくことはありませんか。
シミのようにも見えるし、少し盛り上がっているようにも感じる……。
自分では判断がつかず、なんとなく放置してしまっている方も多いと思います。
これらの“盛り上がったシミのようなもの”の正体は、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)と呼ばれる良性のイボである可能性があります。
脂漏性角化症は年齢を重ねた方に多いイメージがありますが、実際には20〜30代の方にも見られ、加齢だけでなく体質や摩擦、紫外線など複数の要因が関係しています。
ただし、シミやホクロ、ウイルス性イボなど、顔や首にできる“できもの”には多くの種類があり、見た目だけで判断することは非常に難しいのが現実です。
自己判断で美白剤を塗ったり、市販薬を使用してしまうと、皮膚トラブルや色素沈着を招くケースもあるため注意が必要です。
本記事では、
・脂漏性角化症の正しい症状と見分け方
・シミ・ホクロ・皮膚がんとの違い
・自己処理が危険な理由
・炭酸ガスレーザーなど医療による治療法
・治療後に注意すべき点(色素沈着や経過の特徴)
について、皮膚科の視点からわかりやすく解説します。
脂漏性角化症(老人性イボ)とは?

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)とは、皮膚の表面にできる良性腫瘍の一つで、加齢や紫外線、体質など複数の要因が組み合わさって生じる“盛り上がったシミのようなできもの”です。
「老人性イボ」「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも呼ばれます。
見た目は以下のような特徴があります。
脂漏性角化症の特徴
・色は薄い茶色〜黒褐色
・表面がザラザラしているものやつるっとしているものもある
・わずかに盛り上がっている
・大きさは1〜5mm程度が多いが、1cm以上になることもある
・徐々に数が増える・大きくなる
・かゆみや痛みは基本的にない(触ると引っかかる程度)
脂漏性角化症は悪性ではなく、生命に危険はありませんが、自然に消えることはなく、年齢とともに増えていく傾向があります。
若い人にもできる?「老人性イボ」という名前の誤解
「老人性」とつくと高齢の方に多い印象がありますが、実際には20代・30代の患者さまの相談も多いです。
FLALUクリニックでも、20代後半〜40代にかけての相談が多数を占めています。
そのため、年齢にとらわれず、見た目の変化が気になるタイミングで早めに診察を受けることをおすすめしています。
できやすい部位
脂漏性角化症は、次のような部位によくみられます。
・顔(額・こめかみ・頬・まぶた)
・首
・胸元(デコルテ)
・背中
・腕・手の甲
・下着やベルトのゴムが当たる部分
・摩擦が起きやすい箇所
特に紫外線を浴びやすい部位・摩擦が起きやすい部位に発生しやすく、外的刺激が積み重なることで徐々に目立ってきます。
シミではなく「盛り上がる」ことで判別できることが多い
脂漏性角化症とシミの最大の違いは、触ると盛り上がっているかどうかです。
・シミ → 平坦でつるっとしている(盛り上がりがない)
・脂漏性角化症 → 表面がザラつき、わずかに盛り上がる
ファンデーションが縁に溜まりやすいのも脂漏性角化症の特徴です。
脂漏性角化症(老人性イボ)ができる原因と、できやすい人の特徴

脂漏性角化症は「加齢によるもの」とされることが多いですが、実際には年齢以外にも複数の要因が重なって発生する皮膚の良性腫瘍です。
ここでは、医学的に知られている原因や、できやすい人の傾向を詳しく解説します。
主な原因は「加齢」と「体質」
脂漏性角化症ができる主な要因は、次の2つです。
① 加齢に伴う皮膚のターンオーバー変化
年齢を重ねると、皮膚の細胞の入れ替わり(ターンオーバー)が低下し、古い細胞が排出されずに蓄積するようになります。
その結果、皮膚表面の細胞が異常に増殖し、盛り上がりとして現れます。
これは医学文献でも繰り返し報告されている、もっとも一般的な原因です。
② 遺伝的な体質
脂漏性角化症は遺伝が要因であることも知られています。
・家族にイボや盛り上がった茶色の斑点が多い
・親や祖父母に脂漏性角化症が多い
このような場合は、自身にも同様の症状が出やすくなります。
紫外線(UV)の影響も
脂漏性角化症は紫外線との関連に議論の余地があるとされますが、臨床の現場では紫外線曝露が多い部位に圧倒的に多いという事実があります。
当院の臨床でよく見られる例
・秋田の患者さま → 車移動が多く右側の顔・首に多い
・都内の患者さま → 全体的に左右差は少ない
このように、日光に当たりやすい部位ほど発生しやすいため、UV対策は再発予防にも重要です。
摩擦・刺激も誘因になる
以下のような“慢性的な摩擦”は、脂漏性角化症を悪化させたり増やしたりすることがあります。
・マフラーやタートルネック
・ヘルメットのストラップ
・下着のゴム
・ネックレス
・マスクのこすれ
皮膚への刺激は、細胞の増殖を促し、イボ状の盛り上がりにつながりやすくなります。
脂漏性角化症は自分で取れる?誤ったセルフケアの危険性

「小さく盛り上がっているし自分で取れそう…」「市販薬でシミが薄くなるなら、これも薄くなるのでは?」
このように考えてしまう方は少なくありません。
しかし、脂漏性角化症(老人性イボ)は自宅で安全に取れるものではありません。
むしろ、自己処置は皮膚トラブルや跡が残る大きな原因になります。
ここでは、なぜ自分で取ってはいけないのか、その理由を解説します。
傷跡・色素沈着の原因になる
爪で引っ掻いたり、ニキビ取り用の器具やカッターで削ろうとする方がいますが、これは非常に危険です。
起こりやすいトラブル
・出血や化膿
・炎症後色素沈着
・へこみ・盛り上がりとして傷が残る
・周囲の皮膚に炎症が広がり、赤みが長期化
当院にも、「自分で削ったあとに色素沈着が濃く残ってしまった」「ネットで見た民間療法で傷が残った」と相談に来られる方もいらっしゃいます。
市販薬(イボコロリなど)は顔・首に使用すると危険
市販のイボ治療薬(サリチル酸絆創膏など)は、手足の角質が厚い部位専用です。
顔・首・デコルテは皮膚が非常に薄いため、使用しないでください。
・強い薬剤で炎症が起きる可能性
・皮膚がただれる可能性
・かえって盛り上がりが目立つ可能性
・シミとして長期間残る可能性
これらの重大なトラブルにつながることがあります。
最も危険なのは「皮膚がんとの見分け違い」
自己判断で“イボだと思っていたもの”が、まれに悪性であるケースもあります。
■ 基底細胞がん
日本人に比較的多い皮膚がんのひとつ。
黒〜茶色で盛り上がりがあり、表面が光沢を帯びていることがあります。
ゆっくり増大していくため「大きくなってきて初めて異変に気づく」ケースもあります。
■ 有棘細胞がん
急速に盛り上がったり、出血しやすい腫瘍が特徴です。
長年の紫外線暴露や慢性的な炎症が背景にあることが多く、短期間で大きくなる場合は要注意です。
■ 悪性黒色腫(メラノーマ)
もっとも危険度が高い皮膚がんです。
これらの悪性の腫瘍は、実際の医療現場でも報告されています。
特に悪性黒色腫は放置すると致命的であり、「シミだと思って市販薬で焼いてしまった」という症例は非常に危険です。
次のような場合は、必ず皮膚科で診察が必要です。
皮膚がんを疑うサイン
・数カ月で急激に大きくなる
・色が黒く濃く、濃淡がある
・形がいびつ、境界がギザギザ
・出血しやすい
・直径6mm以上(特に注意)
見た目が似ていることも多く、一般の方が判断するのは困難なため、心配な方は早めの受診をおすすめします。
FLALUクリニックの脂漏性角化症(老人性イボ)治療の特徴
FLALUクリニックでは、脂漏性角化症の大きさ・色・盛り上がり具合・周囲皮膚の状態まで丁寧に評価し、患者さま一人ひとりに適した治療方法をご提案しています。
老化によるイボとはいえ、顔にあると年齢よりも老けて見えたり、日々のメイクで余計に凸凹が目立ってしまうものです。
「短期間で、できるだけ跡を残さずに取りたい」という方から多くご相談をいただいています。
ここでは、FLALUクリニックで採用している治療方法と、その特徴を詳しくご紹介します。
① 炭酸ガスレーザー治療(CO₂レーザー)
脂漏性角化症の治療で最も推奨されるのが、炭酸ガスレーザー(CO₂レーザー)による除去治療です。
レーザーの熱エネルギーで盛り上がった部分の細胞を蒸散させ、余計な部分だけを精密に削ることができます。
炭酸ガスレーザーのメリット
・1回で治療が完了する(※個人差があります)
・イボの形に合わせて必要な部分だけ削れる
・液体窒素よりも炎症後色素沈着が起こりにくい
・傷跡になりにくく、美容面で優れている
・シミレーザーでは取れない“盛り上がり”に対応できる
炭酸ガスレーザーのデメリット
・治療後は1週間程度の軟膏+テープ保護が必要
・数十個以上ある場合、施術時間が長くなる
・自費診療のため、液体窒素より費用が高い
・医師の技術力によって仕上がりが大きく変わる
FLALUでは、スキャニング機能を備えた精密なレーザーを使用しており、イボだけを薄く・均一に削ることが可能です。
② 液体窒素(保険適用)治療にも対応
一般皮膚科で広く行われている治療で、-196℃の液体窒素でイボを凍結し、細胞を壊死させる方法です。
液体窒素治療のメリット
・保険診療で受けられる
・全国ほぼどこでも施術可能
・費用が比較的安い
液体窒素治療のデメリット
・治療後に炎症後色素沈着(シミ)が出やすい:9割以上
・複数回の治療が必要(2〜4週間隔)
・1〜2mmの小さなイボは取れないことがある
・痛みと赤みが数日〜1週間続くことも
美容の仕上がりを重視される方には、炭酸ガスレーザーをおすすめしています。
③ 皮膚がんが疑われる場合は、皮膚生検にも対応
脂漏性角化症と似た見た目を持つ皮膚がん(基底細胞がん・有棘細胞がん・悪性黒色腫など)が疑われる場合、削る治療ではなく、適切な生検(皮膚の一部を切り取り検査)を行います。
以下のような特徴がある場合は特に慎重に評価します。
・数カ月で急激に大きくなる
・色が不均一で黒い
・不整形で境界がギザギザしている
・出血しやすい
・6mm以上の大きさ
医師が肉眼・ダーモスコピー(拡大鏡)で確認し、必要に応じて適切な検査をご提案します。
④ できるだけ跡を残さないためのアフターケアも充実
脂漏性角化症の治療後は、赤み・かさぶた・色素沈着の予防が重要です。
FLALUクリニックでは、施術後のアフターケアも充実しています。
・軟膏処置
・テープ保護
・シミ取りクリーム(炎症後色素沈着予防)
・紫外線対策の指導
患者さまの肌質に合わせて最適なアフターケアをご案内します。
結局どちらを選べばいい?
目的に応じて、選ぶべき治療法が変わります。
✔ できるだけキレイに取りたい→ 炭酸ガスレーザーがおすすめ
✔ 保険で安く治したい/多少のシミは気にしない→ 液体窒素も選択肢
✔ 顔・目元・フェイスラインの盛り上がりを取りたい→ 炭酸ガスレーザー一択
脂漏性角化症は自分で取ることができないため、どの治療が合うかは、医師がイボの状態を診て判断します。
FLALUが炭酸ガスレーザーを推奨する理由
脂漏性角化症の多くは、顔やフェイスラインなど「見た目が気になる部位」に出ます。
そのため、治療後の仕上がりを最も重視しています。
● 最小限のダメージで、できるだけ跡を残さない
● 小さなイボでも確実に除去できる
● 一度で治療を終えたい
これらの視点から当院では炭酸ガスレーザーを最適解と考えています。
脂漏性角化症と皮膚がんの違い
脂漏性角化症(老人性イボ)は基本的に良性の腫瘍で、がん化することは極めてまれです。
しかし、見た目が似ている皮膚がんがいくつか存在するため、自己判断で放置したり、市販薬で処置するのは危険です。
特に、以下の皮膚がんは脂漏性角化症と誤解されやすく、「イボだと思って削ってしまった」「市販薬で悪化した」というケースが実際に報告されています。
大きいイボ・急に増えたイボは検査が必要な場合も
脂漏性角化症であっても、以下に該当する場合は皮膚生検(組織検査)を行うことがあります。
□ 大きさが1cm以上
□ 色が極端に濃い・黒に近い
□ 急に数が増えた
□ 痛み・かゆみ・出血がある
□ 半年以内に急激に多発した(レーザー・トレラ徴候)
レーザー・トレラ徴候は、
・全身に茶褐色のイボが数ヶ月で急に増える
・かゆみを伴う
という特徴があり、胃がん・大腸がん・肺がんなどの内臓がんが隠れている可能性が示唆されています。
セルフケアで放置したり、「また今度…」と後回しにせず、異変に気づいたら早めに医師が診断することが大切です。
治療後に起こりうるリスクと対処法(色素沈着・赤み)
脂漏性角化症(老人性イボ)の治療は、安全性の高い施術ですが、治療後の肌には一定のダウンタイムが生じることがあります。
ここでは、実際に患者さまから多い症状と、その対処法、発生しやすい理由を丁寧に解説します。
一時的な赤み(炎症)
レーザー治療後は、皮膚の表面が軽い熱ダメージを受けるため、数日〜1週間ほど赤みが続くことがあります。
これは傷の治癒が進んでいるサインで、ほとんどの場合は自然に落ち着きます。
■ 対処法
・当日は激しい運動・飲酒・長時間の入浴を避ける
・指や髪が触れて摩擦が起きないよう注意
・UVケアをしっかり行う(赤みの悪化を防ぐ)
炎症後色素沈着(PIH:戻りシミ)
脂漏性角化症の治療後にもっとも多い変化が “炎症後色素沈着(PIH)” です。
治療部位が茶色っぽく見えるようになり、「またシミができたのでは?」と不安になりやすいのですが、これはあくまでも一時的なメラニン沈着です。
■ いつ出やすい?
・レーザー治療後1〜4週間で徐々に現れる
・特に肌が刺激を受けやすい部位(顔・首)に多い
・乾燥・紫外線・摩擦が続くと濃くなりやすい
■ どのくらいで消える?
通常は6ヶ月程度で徐々に薄くなるのが一般的ですが、患者さまの肌質や体質によっては1年以上消えるまでにかかる場合もあります。
■ 対処法
・UVケアの徹底(もっとも重要)
・美白クリーム(ハイドロキノン、ビタミンC)で改善を早める
・不安な場合はクリニックで経過診察を受ける
FLALUクリニックでは、治療後の炎症後色素沈着にも対応した美白薬の処方(自費)が可能です。
液体窒素後の色素沈着は“特に強く出やすい”
脂漏性角化症の保険治療として一般的な“液体窒素療法”は、炎症後色素沈着が出やすいことで知られています。
液体窒素は局所的な凍傷(やけど)を起こす治療のため、メラニンが活発に生成され、イボよりも一回り大きい“シミ状”の跡が残りやすくなります。
治療後にシミが強く残ってしまい、その後の美白治療で数ヶ月〜1年かかるケースも珍しくありません。
FAQ(よくある質問)
【Q1. 脂漏性角化症は自然に治りますか?】
自然には消えません。
時間が経つと少しずつ大きくなったり、数が増えることがあります。
気になる場合は皮膚科での除去が必要です。
【Q2. シミとの違いはどう見分ければ良いですか?】
シミは平坦でなめらかですが、脂漏性角化症は表面がざらつき、わずかに盛り上がるのが特徴です。
ただし見た目だけでの判断は難しいため、診察を受けるのが安心です。
【Q3. 治療後の赤みや茶色い跡はどのくらいで消えますか?】
赤みは数日〜1週間程度、炎症後色素沈着(茶色い跡)は3〜6ヶ月ほどで徐々に薄くなります。
紫外線対策や美白クリームの使用で改善が早まります。
【Q4. イボコロリや市販薬で取れますか?】
脂漏性角化症は皮膚の細胞が増殖した良性腫瘍で、市販薬やスキンケアでは取れません。
刺激の強い市販薬を使うと、逆に炎症や色素沈着を招くことがあります。
【Q5. 皮膚がんとの見分け方はありますか?】
急に大きくなる、色が不均一に黒い、出血しやすいなどの症状がある場合は注意が必要です。
皮膚がんの可能性があるため、早めの受診が重要です。
【Q6. 一番きれいに除去できる治療法は?】
1回で除去でき、仕上がりが自然な炭酸ガスレーザーが人気です。
脂漏性角化症の治療をご希望の方へ
脂漏性角化症(老人性イボ)は、セルフケアでは取れず、クリニックでの治療がもっとも確実です。
シミと思っていたら実はイボだったというケースも多く、気づいた時点で診察を受けていただくと治療がスムーズです。
FLALUクリニックでは、皮膚科専門医がひとつひとつの症状を丁寧に診察し、最適な治療方法をご提案しています。

