顔にできた「イボ」…それ、本当にイボですか?見た目の特徴と見分け方を解説
鏡を見るたびに、ふと気になる小さなぽつぽつ。なんとなく放置しているけれど、「これってイボ?ホクロ?それともシミ?」と、見た目では判断がつきにくい方も多いのではないでしょうか。
顔にできる“できもの”には、実にさまざまな種類があります。
皮膚の一部が盛り上がっていたり、色がついていたり、触ると少し硬かったり。
こうした変化が現れる原因は、良性腫瘍やウイルス感染、加齢や摩擦など、多岐にわたります。
しかし見た目が似ているからといって、すべてが同じ対処で良いわけではありません。
自己判断で市販薬を使ってしまったり、無理に取ろうとしたことで、逆に悪化させてしまうケースもあります。
まずは正しく見分け、必要に応じて医師の診断と適切な治療を受けることが、大切です。
顔にできるできもの(シミ、ホクロ、イボ、ニキビ、脂漏性角化症 など)

顔にできる「ぽつぽつ」や「できもの」は、一見するとどれも同じように見えることがありますが、正体はさまざまです。
・紫外線の影響でできやすい「シミ」は、平坦で色素が沈着したもの
・メラニン細胞が皮膚の奥に集まってできる「ホクロ」は、色が濃く、やや盛り上がりのあるもの
・皮脂の詰まりや炎症で生じる「ニキビ」は、触ると痛みを伴い、赤みや腫れがあるのも特徴
・「イボ」も一種類ではなく、加齢による角質の蓄積でできる老人性イボ(脂漏性角化症)や軟性線維腫、ウイルス感染によるウイルス性イボ(尋常性疣贅)など、多くのタイプが存在する
見た目だけで判別するのは難しいため、自己判断での対処は注意が必要です。
イボと他の皮膚病変の違いとは?
シミやホクロとイボの違いは、主に「盛り上がり」「色」「硬さ」「できる場所」などの点にあります。
シミは平坦なものが多く、触っても凹凸がありません。
ホクロはやや盛り上がっていることがあり、色も濃い茶色〜黒で、毛が生えていることもあります。
一方、イボは表面がざらざらしていたり、つまんだように突起状になっていたりと、「出っ張っている」印象が強いです。
特に脂漏性角化症や尋常性疣贅などのイボは、細胞の過剰な増殖により発生し皮膚表面に蓄積するため、「かさぶたのような質感」や「乾いた感じ」が特徴です。
また、ウイルス性のイボは、良性のイボと見た目が似ていても感染性があるため、適切な診断と治療が必要です。
間違った自己判断が招くリスク
「市販の塗り薬やシールで何とかなるかも…」と思ってしまう方が多いのではないでしょうか?
しかし、顔にできた“できもの”には慎重な対応が必要です。特に顔や首は皮膚が薄く、デリケートな部位です。
市販薬に含まれる成分が強すぎると、かぶれや炎症、色素沈着といったトラブルを引き起こすこともあります。
また、「イボだと思っていたものが、実は皮膚がんの前段階だった」というケースもまれにあります。
良性であっても、放置することで大きくなったり、数が増えたりと見た目に影響することもあります。
見た目で判断がつかないときは、まずは医師の診察を受けることが大切です。
無理に自己処理をするのではなく、皮膚に負担をかけない適切な治療を選ぶことが大切です。
顔イボの見た目でわかる4つの主な種類【写真付きで解説】
顔にできるイボには、いくつかの代表的な種類があり、それぞれに見た目やできやすい部位、治療法が異なります。以下に、皮膚科でよく見られる4つのイボについて解説します。
① 脂漏性角化症(老人性イボ)

脂漏性角化症は、40代以降の方に多く見られる加齢に伴う良性のイボです。
茶色〜黒っぽい色で、やや盛り上がりがあり、表面はざらざらしているものやツルツルしているものなどさまざまです。
大きさは数ミリから1cm以上のこともあり、放置すると数が増えたり、厚くなって目立ちやすくなります。
特に額・こめかみ・頬・まぶた・髪の生え際など、紫外線を浴びやすい部位に多く現れます。
② 軟性線維腫(アクロコルドン・スキンタッグ)

やわらかく小さな「ぷつぷつ」が首まわりなどに多数できている場合、軟性線維腫(アクロコルドン)かもしれません。
見た目は肌色〜やや褐色で、引っ張ると伸びるような感触があるのが特徴です。
このタイプは感染性がなく、皮膚の老化や摩擦、体質的な要素によってできやすくなります。
年齢とともに数が増える傾向にあり、「いつのまにか増えていた」という方も少なくありません。
③ 尋常性疣贅(ウイルス性イボ)
ウイルス(ヒトパピローマウイルス)感染によってできるイボです。
小さく、やや平坦で、皮膚の色に近い〜淡褐色をしていることが多く、数が増えることもあります。
感染性があるため、自己処理で広がってしまうリスクもあり、早めの治療が大切です。
④ 脂腺増殖症
小さな黄色〜肌色の「ぶつぶつ」が額や鼻周辺にできている場合、脂腺増殖症の可能性があります。
これは皮脂腺が部分的に増殖したもので、ホルモンバランスや皮脂分泌の多い体質が関係していると考えられています。
イボとは異なり、中央が少しくぼんでいるケースが多いです。加齢に伴って現れることもあり、皮膚科では炭酸ガスレーザーなどで除去が可能です。
それぞれのイボは見た目だけでは判断が難しく、シミ・ホクロ・ニキビと誤解されやすいものもあります。
気になる「ぽつぽつ」を見つけたら、まずは医師の診察を受けて、正しく見極めることが大切です。
顔イボの無理な自己処理はNG

「気になるから…」と、自分で引っかいたり、ピンセットや爪でイボを取ろうとする方が少なくありません。しかし、自己処理は大きなリスクを伴います。
色素沈着や感染リスク
イボを無理に取り除こうとすると、炎症が起きたり、出血や感染の原因になったりすることがあります。
さらに、傷が残ったり、色素沈着(黒ずみ)として長期間跡が残ってしまうケースも少なくありません。
首・顔の皮膚は薄くデリケート
顔や首は体の中でも皮膚が非常に薄く、刺激に弱い部位です。
そのため、手足用の市販薬(イボコロリなど)を顔や首に使用すると、かえって皮膚トラブルを引き起こしてしまうことがあります。
刺激の強い薬剤や摩擦などが、イボを悪化させてしまうこともあるため注意が必要です。
ご自身で取ろうとした結果、皮膚にへこみが残ったり、赤み・黒ずみが数カ月〜数年消えないという相談もよく寄せられます。
美容面を気にする部位だからこそ、無理せず医師による安全な治療を選ぶことが、後悔のないケアにつながります。
FLALUクリニックの顔イボ治療
FLALUクリニックでは、顔のイボの種類や大きさ、イボができている位置などを丁寧に見極めたうえで、患者さま一人ひとりに最適な治療法をご提案しています。

